介護職はサービス残業が多い?残業の実態と問題点とは

介護職は、「サービス残業が多い」というイメージがあるようです。では、実際にはどういったことが「サービス残業」として行われているのか、その実態と解決策について解説します。

介護職は残業が多い?

介護職はサービス残業が多い?残業の実態と問題点とは

介護職は、本当に残業が多いのでしょうか?

まずは、残業が生じる背景には何があるのかなどについて解説します。

残業が生じる背景

残業が生じる背景として一番大きなものは、「人手不足」です。必要なケアが勤務時間内に終わらず手が回っていなかったり、多くの介護職は責任感が強いことから他人に任せられなかったりと、何事も「自分で」やりがちな傾向にある人が多いようです。

また、本来であれば、施設内の誰もができるような状態になっていたり、情報共有がなされているべきところが特定の人にしかできない状態になっていると、残業が生じやすくなると言えます。

サービス残業が多い(通常の残業は少ない)

通常業務において、残業は「事前申請」が基本となります。そのため、イレギュラーな業務によって残業しなければならない場合において、管理職への報告や書類手続き等が煩雑だったりすることから「サービス残業にした方がラクだ」という認識が生まれがちです。そのため、通常の残業時間は少ない傾向ですがサービス残業は多くなるようです。

また、残業を申請すると時間が限られてしまいます。ですが、介護における業務は時間を想定して進めづらい(ご利用者相手となるため)ので、サービス残業としてやる方が気楽であると考えている方もおられます。

サービス残業になりやすい仕事内容と理由

日々の業務において、通常の残業ではなくサービス残業になりやすい業務には次のようなものがあります。イレギュラーな業務はサービスになりやすいものですが、場合によってはミーティングや研修などもサービス残業になってしまうため、注意が必要です。

介護記録等の記入

介護職 残業 介護記録

介護等の記録は、ご利用者のその日の様子や変化があったことなどを記録していくものです。その日の記録は当日中につけることが基本となるため、「明日でいいや」となると忘れてしまったりして引き継ぎミスなどにつながる恐れがあります。

「介護記録をつけるために残業します」という申請を出せば良いのですが、上司とコミュニケーションが取れなかったり手続きが面倒であると感じ、サービス残業にしてしまうことが多いようです。

職員によっては、一日の出来事などをメモにまとめて一気に記録を書くことがあるため、思い出しながら書いたりしていると時間がかかってしまいます。そのため、「●時から●時まで残業する」という決まった時間の中で記録を書くことがプレッシャーになり、必要な情報や丁寧に書くことができないという理由もあるようです。

ケアの準備・片付け

ご利用者のケアは、それぞれに準備や片付けが必要なことがあります。特性によって用意すべきことも異なるため、時間がかかるとサービス残業で対処してしまうことがあります。また、レクリエーションの準備や片付けについても同様で、準備や片付けは本来の業務に追加して行うことが多いため、買い物に行ったりレクリーエーション後の掃除などは自然と業務終了後にやっているケースが見受けられます。

利用者及び家族への対応

介護 サービス残業 利用者対応

ご利用者への対応は、イレギュラーで発生することが多々あります。職員主導で動くことが難しいケースがほとんどであるため、残業時間の設定がしづらくサービスにしてしまいます。

またご家族への対応も同様であり、事前にスケジュールが決まっている電話であれば問題ありませんが、急な対応であれば「お話を聞いているうちに1時間経ってしまっていた…」ということは決して珍しくありません。

ご家族とのコミュニケーションは支援を円滑に進めるために重要ですが、通常の残業時間としての設定が難しいケースがあるようです。

会議・委員会・研修

介護業界では、「リスクマネジメント」「介護スキル向上」などの委員会や研修、定期的な会議が行われます。基本的には勤務時間内で開催されるものですが、場合によっては延長することも珍しくありません。こうなった時、残業扱いとして認める施設があれば別の手続きが必要な施設もあり、それぞれによってはサービス残業としてしまうことがあるようです。

会議や委員会は数多くあるわけではありませんが、できるだけコンパクトにまとめて終わるように事前準備や進行を考えておくようにすべきでしょう。

計画作成のためのヒアリング

日々の介護を行うにあたっては、様々な「計画」を立案する必要があります。ご本人やご家族から計画に対しての同意をいただいて初めて、日々の支援が行えるのです。そのためには、ご本人から丁寧にヒアリングをおこない、不便を感じていることややりたいことなどの情報を集めなければなりません。

また、状況によってはご家族にも意見を聞く必要があるのですが、そういったヒアリングは日常業務とは別に時間を作る必要があるケースがあります。そのため、残業として事前に設定できるようにすれば問題はありませんが、不可能な場合(時間の見通しが立たないなど)にはサービス残業にしてしまうことがあるようです。

緊急対応

これは、ご利用者が緊急搬送されるなどのトラブルに対処した場合です。基本的には残業として認められることがほとんどですが、100%とは言い切れない現状があります。直接ご利用者の搬送に付き添うだけでなく、緊急車両の誘導やご利用者の見守りなど、間接的なサポートに入った人たちは特にサービス残業になりがちなようです。

職場全体の流れとして当たり前になっている

これは、施設全体としての雰囲気や伝統などもあるかもしれませんが、自然と「サービス残業が当たり前」という風習ができているところは多いようです。また、「日々の支援業務が入っていると集中できない」という理由から、休日にサービス出勤しているようなケースもあり得ます。日々の業務時間内では多忙であり手がつけられない業務が出てくる現状もありますが、業務の流れや割り振りそのものを考え直す必要があるでしょう。

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変則勤務でも残業が多い

介護 変則勤務での残業

介護職では、施設によっては変則勤務(早出、遅出、夜勤など)があります。

実は、こういった変則勤務では残業がとても多いと言われています。その実態を解説します。

勤務開始前から業務に入るケース

施設の人出によっては、実際の勤務開始時間前から業務に入っているようなケースが見受けられます。

誰かが「入って」と言ったわけではなく自分から勤務開始前から業務に入っているのですが、それが習慣化してしまうことで自然とサービス残業する風潮になっているような施設は少なくありません。

特に、準夜勤や遅出などの業務においては業務開始前から支援や介護に入る状態があるようです。

勤務終了後に残って仕事を続けるケース

早出や夜勤明けなど、日中に仕事が終わる変則勤務に入っている人には、自分の勤務時間が終わってからも業務を続けたりサポートに入るような人がいます。

「帰っていいよ」という声がかかっていると残業なく帰る人もいますが、忙しい中で帰ることに対する罪悪感を感じてしまっていたり、単純に人手不足によって帰ることができないというパターンもあります。キリのいいところがなかったりもするため、難しいところではあるようです。

夜勤明けは要注意

夜勤明けは、業務のサポートなどを依頼されることが多くあります。ですが、内容によっては寝ていない状態で業務を行うには危険すぎることもあるため、しっかりと断るようにしましょう。

「できる」と思った場合でも、できるだけ安全な内容をサポートしたり無理のないようにすることで、自分だけでなくご利用者を守ることにつながります。

サービス残業をなくすためには?

介護 サービス残業をなくすためには?

ここまでは、サービス残業が起こりやすいケースや業務内容等について解説しました。

では、実際にサービス残業をなくすためにはどうすれば良いのでしょうか。明日からできるようなこともありますので、ぜひ試してみてください。

計画的かつ見通しを持った仕事を

介護職において、「見通しを持った仕事」が難しいことは多々あります。ですが、自分で時間をコントロールできる仕事や時間短縮が狙えるものであれば、ぜひ計画的かつ見通しを持って働くよう心がけましょう。

いつご利用者や保護者対応、緊急事態があっても良いように余裕を持っておくことで、他のスタッフのサポートに入ることもできるようになるでしょう。また、「時間ギリギリまで働くことが良いことではない」という雰囲気を職場に作ることも大切です。

どんな時でも必ず上司に申請を

事後報告になったとしても、上司に残業した旨を申請するようにしましょう。残業が少なければ少ない分、「業務がこなせる人」という扱いになったり人手不足でも「手が回っている」と判断されがちです。

残業をした場合には必ず報告することで、現場がどういった業務を行っているのか、どういったところで手が回っていないのかなどを把握することにもつながります。サービス残業は、本来は回っていないことやできていないことも「できたこと」にしてしまうのです。

ボランティア感覚を持たない

日々の業務やレクリエーションに関する業務など、どれだけハードだったとしてもご利用者が喜ぶ顔を見ると疲れが飛んでしまうものです。しかし、介護職はプロであり、お金をもらってご利用者の生活を支えているため、ボランティア感覚があってはいけません。決まった時間で、しっかりと仕事をこなしていくことも介護職として意識すべきところです。

サービス残業が当たり前の風潮となり、「先輩がやっているから後輩もやる」という流れができてしまうと、それは伝統として続いていってしまいます。できるだけ早く、そういった「悪しき習慣」はなくすようにしましょう。

業務の見直しを行う

サービス残業が発生するということは、業務量や内容が多いという可能性がとても高いと言えます。さらに、元々から残業することを前提に業務スケジュールが組まれることも少なくないため、業務の割り振りや流れの見直しなどを定期的に行うことは重要です。

過剰な負担となっている業務を全体で緩和し、負担を減らすことができなければ優秀な人材の離脱や人材不足に拍車をかけることになりかねません。

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サービス残業をしない雰囲気づくりと伝統を変える勇気

雰囲気から変えていく

サービス残業をしないためには、根本的に職場の雰囲気と伝統を変えていく必要があります。現場の多くでは、サービス残業をしてでも現場のサポートやケアを行うことで助けられるスタッフが多いため、違和感なく行われているところが多いのではないでしょうか。しかし、実際にはそれが正しいとは言えず、「本来定められているメンバーでできることをやっていく」ことが重要です。

「何かあってもあの人は残ってくれる」「頼めばなんとかしてくれる」という雰囲気や空気感を作ると、自然とサービス残業が当たり前の流れになっていきますし、後々には「先輩がやっているから」と後輩も「やらなければならない」雰囲気となります。つまり、「おかしい!」と声を上げたい人がいたとしても、挙げられる環境とは言えません。

伝統は思い切ってなくす意識を

施設としての伝統は、あれば良いのかもしれません。ですが、時代に合っていないものや不要なものは残しておくのではなく、良い部分を取り入れつつも積極的に変えていく方が良いのではないでしょうか。

「誰もが働きやすい職場環境」を作るためには、まず残業を減らすことから。特に、サービス残業は誰もが疑問を抱くことでしょう。ぜひ、前向きにみんなで変えていってはいかがでしょうか。

管理者やマネージャーこそ積極的に

介護職 残業 上司に相談

現場スタッフでは言いづらいことや手を上げづらいことは多々あります。

そんな時こそ、管理職やマネージャーといった上層部がしっかりと動きましょう。管理職が現場の動きを待つと、お互いが「待ちの姿勢」になってしまうので、結果的に何も変わらないままになってしまいます。

残業の申請やしやすいシステムや事後報告を聞きやすい雰囲気づくりなど、少しずつでもできることをやっていけば、介護業界でも「働きやすい」「働き続けたい」と思うような施設運営ができるのではないでしょうか。

限りなく残業をゼロにすることはできる

これまでの介護業界は、残業ありきで業務が進んでいる施設が多かったのではないでしょうか。ですが、これからの働き方を考え人材の流出を防ぐには「残業を減らす(限りなくゼロに近くする)」ことはマストと言えます。

人材が増えることに期待するだけでなく、少しでも「働きやすい環境を整える」ことに意識を向けることによって、自然と「働きたい」と思ってくれる人が増えていくことも期待できます。

働きやすい施設はご利用者も過ごしやすい

職員にとって働きやすい施設は、職員の支援の質が高まります。結果的に、ご利用者にとっても過ごしやすい施設となるため、マイナスは何一つありません。業務の適正化を積極的に行っていくことで、職員にとって働きやすくご利用者も安心して過ごせる施設運営になっていきます。ぜひ、残業の実態や問題点を見つめることで、改善を行っていきましょう。

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ぜひ、お気軽にご相談ください。

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